ベランダから見える小さな灯りの集まりを、見るとはなしにみていたとき。ふと、考えた。風に身をまかせ、空から落ちてみたい、と。あの小さな灯りたちがさらに小さく、たくさん見えるほどの上空から、吹き上げるような風を全身で受けとめて、何も考えずに落ちていく。それはきっとこんなところでひとり考えすぎて病んでいくより、ずっと綺麗なことだと思ったのだ。
死にたい訳じゃない。そんな行動力、私には無い。ただ、そう、疲れたのだ。社会の中で、替えの聞く歯車のひとつとなり続けることに。
冷たい夜風が淀んだベランダに流れ込む。今日はもう寝てしまおう。太陽もないのに、起きているのがダメなんだ。
夜が過ぎれば、朝が来る。抱えた不安も、いつかなくなるのだろう。漠然とした不安と寂しさに寄り添って、また今夜が終わっていく。
5/14/2023, 2:09:55 PM