「誰も助けてくれない」
一人の真面目な中学生が居ました。中学生は少ないながらも友達が居て、有名大学に進学し、有名企業に就職して両親を楽させてあげたいと言う夢がありました。
ある日、中学生は同じクラスの同級生に呼び出されました。その同級生は、髪は金髪で、耳にピアスを空けていて、改造制服を着ている、言わば校則違反の常習者の不良です。その同級生は、腕っぷしが強い為、誰も逆らう事が出来ませんでした。
体育館の裏に呼び出された中学生は、同級生に
「ケンカで負けた方が丸坊主な」
と言われ、顔や体が痣だらけになる程殴られました。
中学生がケンカに強い同級生に勝てる訳が無く、動けなくなった中学生は髪の毛を毟り取られて丸坊主状態になり、裸にされて動画や画像を撮られてしまいました。
数日後、中学生は教師に呼び出されました。中学生は、事情を話せば先生に助けてもらえると思っていましたが、教師は動画や画像がネットで拡散されたのを
「お前のせいで、学校は大恥をかいたんだぞ!」
と言い、中学生を責めました。
「誰も助けてくれない…」中学生は悲しみの余り、雪が吹雪くとても寒い日の夜に公園に行き、自らあの世に行ってしまいました。
中学生の両親は学校に抗議を申し立てましたが、学校は、
「中学生は悪ふざけが過ぎたのでしょう。一人の被害者と十人の有望な加害者、どっちが大切ですか?そりゃあ、加害者でしょう。生きている生徒を守るのが大事ですから」
と、返事を返すだけでした。中学生の両親は
「頭がおかしいんじゃないですか?子供が被害に遭っているんです!」
と反論しましたが、学校は、
「頭がおかしいのはそっちでしょう。精神科のある病院に行ったらどうです?」
と言い、両親を追い返しました。
中学生の両親は、マスコミに子供の件を告発しましたが、マスコミは流行り病に関する報道をするのに忙しくて、大々的には取り上げませんでした。年月と共にこの事件の事は人々の記憶から消えて行きました。
加害者である同級生達は中学卒業後、高校大学と進学して卒業し、中流階級の裕福な人生を送り、主犯格は芸能界で成功を収めました。
2/1/2022, 5:09:28 AM