(少々口が悪くなるところと、長いです。それでも大丈夫な方のみ読んでください。)
♯幸せに
先生ー
「…どうやったら、幸せになれますか」
いつもやんちゃで元気な時斗(とと)は、皆の前で口を開いて言った。
…は?
俺の頭の中はごちゃごちゃになった。
なんでアイツが?
そんなはずないだろ
だって俺といるときは、いつも通りじゃねぇか
全く意味がわからない。
さっきまで喋っていた周りのみんなも、黙り込んでしまった。
だけど、先生の目を真っ直ぐ見つめる時斗の瞳から、真剣さを感じた。
しかし、流石に先生も呆然として、突っ立っていた。
そして周りがざわめきだした。
<いきなり何言ってんの?
<なんか、時斗いつもと違くな〜い?
<急にどうしたんだよあいつ
<はしゃぎすぎて壊れちゃったとか?w
そんな声が聞こえてきた。
先生も苦笑いして、次の質問ある人〜とか言って、しらんぷりした。
時斗の瞳から、少しだけ涙が出ていた。悔し涙、、ってやつ?
俺は怒りが湧いてきた。
だから、先生が口を開こうとした時、つい勢いで言ってしまったんだ
「先生!どうして辛そうにしている生徒がいるのに無視するんですか?それ、教師としてやっていいことなんですか?しかも周りの皆も!それはないですよね?皆の前で勇気出して言ったのに。目の前で泣いている生徒が居るっていうのに!」
周りの皆、先生は再び黙り込んだ。
どうしても許せなかったのだ。俺の大親友にこんなことするなんて。
それからしばらく沈黙が続き
・・
「もういいです。勝手にゴミ授業でも進めとけばいいじゃないすか。行こ、時斗。」
そう言って、俺は時斗の手をとり保健室に向かった
ガラガラガラバンッ
先生<ちょ、ちょっと、てとさん!!
<廊下>
てと「はー、まじさいてー。どうなってんだよあのクラスは。時斗、大丈夫か。」
時斗「うん、ありがとう。(涙を流す)」
てと「泣くなって。時斗らしくないぞ笑…笑って。」
時斗「うん、!笑(涙を腕でふきとる)」
てと「この時間帯は先生が居ないから、とりあえず保健室に向かおう。」
時斗「うん。でも、途中で教室抜け出してきて良かったの?僕をかばう必要なんてなかったのに。」
てと「大親友が目の前で泣いてるっつーのに、無視出来るわけないだろ。」
時斗「やっぱてとは優しいね。」
てと「にひっ(笑顔を見せる)」
時斗「えへへ(笑顔)」
<保健室>
てと「時斗、なんかあったのか?俺でよければいつでも相談乗るよ。」
時斗「ありがとう。でも、大丈夫だよ。そんな大した事でもないし…」
てと「いやいや、絶対大丈夫じゃないだろ。じゃなきゃ皆の前であんな事言わないって。」
時斗「んー、確かにね、、笑」
てと「だからさ。教えて。」
時斗「……実は僕、医者からあと余命1年って言われてるんだ…」
てと「…は、?」
時斗の言ったことが信じれなかった。
そのまま俺は、あまりのショックでしばらくの間、何も言えなかった。
時斗「ご、ごめんね。やっぱ言わなかった方が良かったかな。」
てと「…ばか、、」
時斗「え、?」
てと「ばか、!」
思わず俺は、泣き出してしまった。
時斗に泣くなって言ったのは俺なのに。情けないな
時斗「…、、」
てと「なぁ、時斗。」
時斗「何、?」
てと「気づけなくて、ごめんな」
時斗「てと、、」
_残りの人生。絶対に俺が幸せにしてやる。(時斗を抱きしめる)
3/31/2023, 11:09:17 AM