あれは14年ほど前になるだろうか
東日本大震災の3ヶ月前の年末
私が沖縄にきて半年
初めての帰省の出発前日の夜だった
おばあちゃんが死んだ、そう母から電話があった
楽しい帰省のために予約したはずの飛行機は
通夜に向かうための交通手段に変わった
元々予約していた便にのって、予約していた新幹線に乗り
予定通りに帰った
全て予定通りだったはずなのに
祖母は棺桶の中で静かに横たわっていた
涙は次から次へと溢れたけれど
その理由はほんとうに悲しいからなのかもわからず
まるで悲劇のワンシーンを見ているかのように不鮮明で
夢を見ているような気持ちのままだった
火葬し、葬儀し納骨し、
ほっと一息ついたら故人を偲ぶという名目の宴会が始まった
ああ、みんなが集まれる年末というタイミングでの葬儀
なんと見事な生き様だったろうと思えば
泣きながらも少し笑えてきて
私もこんな風に逝きたいもんだと、そう思った
10/10/2023, 2:47:08 PM