1分程しかいることのできない世界に降り立った。視界はやや青みがかっていて澄んでいる。空気が漏れる音しか聞こえず、身体は地面に着いているのに、重力に逆らうかのように少し浮かんでいた。岩と砂ばかりだが、上から射し込む光が、この世界の退屈さを紛らわせてくれる。暖かく、うねって色んな形に変わるのも、ずっと見ていられる。あぁ、もうすぐもといた世界に戻らなくては...。私は思いっきり地面を蹴って、煌めく光に手を伸ばした。
9/5/2023, 9:22:01 AM