いつまでも降り止まない、雨
あの時の発表会から全てはおかしくなった。
私は出席したくないと先生に直接申し出た。
体調が良くないから、元旦那とも相談して、義母にも自己申告して、私は先生に体調のことも含めて自分の思っている事を言って辞退することを話した。
だけど、先生の返答は違っていた。
その頃もっと悲しい出来事があった時だったのに、先生自身が辛い思いをしていたあの頃。
発表会じたいも辞退という形をとると私は思っていた。
そのことがあったから体調が悪くなった訳ではなく、もっと前から私の体調は良くなかった。
周りに気を遣いすぎて頭が回らなくなり、不眠も続き、思考じたいがおかしかった気がする。
あれもしなきゃ、これもしなきゃ、というのが制御できずにいた。気がついたら勝手に涙が出てきていた。
涙を止めようにも止めることさえもできずに。
だから私は辞退をしようと思った。
でも、先生は現実から逃げたい気持ちがあったのだろうか。私が思っていることと反対の言葉を言っていた。
私も渋々了承した。
その言葉もあり、チームで踊ることになっていたので練習から当日まで出席せざる得ない状況だった。
家庭との両立もあり、もう体力も限界をきたしていたんだ。
リハーサルの事はもう覚えていない。あの時から笑顔が薄くなっていたと思う。
当日、会場まで足を運ぶとそれぞれ衣装の準備をしていた。私も着替えて準備をした。
色々と頭が回らなくなり、踊り手さんが行き交うなか、挨拶、子供の心配、配慮、色々な事が駆け巡っていた。
その時に、ある踊り子さんの飾りがないと事件が起きた。間違えてうちの子が持っていないかの確認をしていた。するとうちの子の飾りがないとなった。
結局見つかったのだけれど、その場にいなかった先生が飾りがないと困るからと大先生のところまで飾りをもらいにいっていた。
一から作り直さないといけない飾りと言っていた。
先生が作り直している時に飾りが見つかった。
踊り子さんたちはステージの上で華麗に踊っていた。
私も何曲か踊って終了した。
終了後、私は下の子が心配になって頭が回らない状況の中、急いで着替え、下の子を迎えに行った。
上の子は同じ踊り子さんと仲良くしていたので、離れていた。
私もその場を離れようとした。
ふと、1人の踊り子さんの方を見た。
何故か白い衣装の上に赤い血が付いていたからだ。
心配になり、下の子と駆け寄ったら、その場にいた踊り手さんが大丈夫大丈夫と言って、その踊り子さんの頭を叩いていた。
私はその光景を目の当たりにしてしまって、もう頭の中がぐちゃぐちゃになった。
先生の悲しい出来事もあった中、その光景を目にしてしまって、そんな深い間柄でもなかったし、実際。
もう、あれからあのサークルには入らなくなった。
あまりのショックな出来事で疎遠になった。
違う踊り手さんからも色々聞いていたが、現実を知ってしまうといたたまれなかった。
あの血の行方は未だにわからないままで謎だったのを私は鮮明に覚えている。
これも桜会の一つなんだろうかと。
5/25/2023, 10:34:07 AM