絢辻 夕陽

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今日の日差しはとてつもなく暑い。
なんと例えればいいか分からないくらいただひたすら暑い。
私は外出先から戻り机の上でへたばっていた。
「あのー、すみません。」
なんだ、なんだよ。こんな時に。
こんな蒸し暑い中で何の用事だ。
「これ、よかったら。」
おお、これは小型扇風機。
又の名をハンディーファン。
例え部屋にクーラーがかかっていたとしていてもありがたい。
ありがたやーありがたやーと思い、くれた人の方を向いたらまさかの同僚だった。
どう言う風の吹き回しだこれは。
「外、暑かったでしょう。」
「そりゃあもう、とてつもなく暑かったよ。戻ったら即アイスコーヒー飲もうと思ってたところだよ。」
「流石にこの時期で三十度越えは暑いよね。」
そりゃそうだ。何だってこんな暑い中取引先に行かなきゃならんのだ。
仕方ないと言えば仕方ない。
この暑さで取引先のサーバーがえらい事になっては堪らんからな。
そう心の中でぼやきつつ
「まぁしょうがないですよね、取引先の万が一の事考えたら。」
「そうよね。」
このとてつもない日差しの中どれ程のサラリーマン戦士達はあちこちに出向いているやら。
「ところでさっき上司が呼んでましたよ。」
「えっ。」
嫌な予感しかしない。
更なる仕事がどん!か、どん!と来るのか。
そう思うと頭がくらくらしそうになった。
サラリーマン達の暑い夏は始まったばかり。
まだまだこれからだ。

「サラリーマン達の暑い夏」

7/2/2024, 12:11:20 PM