変人の作文

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梅雨に入り、私は特に変化もなく、また一日が始まった。
今日は息子を保育園に送ったあと、仕事して、…今気になっている人とデート。シングルになった時、不安だったけどこの人がいてくれて良かったと思ってる。息子もこの人のことはよく思ってくれてるらしく、最近は2人っきりで公園に行って泥まみれで帰ってくるから少し怒った。何をしたらあんなに泥まみれになるんだろう。息子を保育園に預けて私は仕事をする。芸術系の仕事だからか自分の考えることは人とは違うということを感じる日々だ。でも別に普通になりたい訳じゃない。逆に普通じゃないから食っていけるまである。あの人は私の変なところもいいと言ってくれる。チョコレートを食べて天井を見上げる。口に入って少し溶け始めて、噛むとなんとも言えない食感。おいしい。また前を向いて自分の作品を見る。
何かが足りない。その何か、も分からない。うーん。
あ、もう時間だ。どうするべきだろう。うーん。デートの約束してたけど今日は断ろう。とあの人にメールを入れた。そしたら家に行ってもいいかと聞かれたので邪魔をしなければと答えた。
すると15分くらいでチャイムがなり鍵を開ける音も聞こえた。そしてあの人の声。少し高いくらいの、落ち着く声。でも内容には耳を傾けない。筆をとり、何かが分かった気がした。取りあえず描いてみて、ちょっと納得がいかなくて、筆を投げてしまった。そしたら当たってしまい、ちょっと申し訳なくなったがその人もこの事を承知の上でここへ来たのだろう。何も言わなかった。
何かが分かりたくて必死になった。
あの子が何故か必死に訴えかけてくるから耳を貸すともうお迎えの時間だった。私はびっくりして時計を見るともうそろそろ追加料金を払わないといけないといけない時間になっていて、もう、服とか考えずに傘だけを持って家を出た。一応時間には間に合ったが、何かモヤモヤしたままだったからあまり覚えていない。ぐちゃぐちゃになってる髪と絵の具で汚れた服。口紅すらしてない顔。酷くて酷くて仕方がなかったと思う。息子はもう準備して待ってた。こっちを見て顔を明るくさせたと思ったら走って私に突撃してきてちょっと苦しいくらいに抱きしめられた。可愛いなぁ、と思ってたらボソッと「雨で濡れちゃう」と聞こえ、ちゃっかりしてんなぁと思った。家に帰るまでに今日あったことを話してくれて、ミカちゃんが歌を歌っただとか、桜くんが絵を描いてただとか。それがとても上手だったとか。ニコニコしながら話すものだから私もなんだか嬉しくなっちゃって、ニコニコしながら家に着いた。あ、これだと思った。筆を手に取って描いた。ひたすらに描いた。

6/20/2024, 6:53:25 AM