大地に寝転んで雲が流れる。大地に寝転ぶと決まって今やってることがどうでも良くなる。雲の流れを眺めると、不安が少し消えていく。「ちいちゃんのかげおくり」に出てきたみたいに雲で写真が撮れることを教えてくれた人のことを思い出す。私は世界が嫌いだった。平凡でつまらなくて友達もいないし友達がいないことがおかしいと言ってくる大人たちが怖かったから。でも雲は何も言わないし焦らせない。雲みたいな存在になりたい。少女はそう願っていた。
5/4/2023, 11:46:49 AM