NoName

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度々おぞましい化け物がうつり、その度に気味が悪くなる
いつかみたその姿は、まるで別人で誰だか分からないくらい記憶からかけ離れた誰かだった
ひとたび外に足を運べば無数のそれと対峙する羽目になる
それらを完全に遮断することは容易ではなかった
恐ろしいものはいくらでも潜んでいた
外に出なくとも飲んでいるコップの水やスープ、反射をするスプーンにその化け物はうつりこんでいた
部屋を歩いている時に影が見えた
そのシルエットが耐え難くおぞましかった
出来るだけ見えないようにと目を薄目にして歩いた
寄り目にしてぼやかしてどうにかしのげないだろうかと躍起にやっていた
周りに何も無いときですら、不気味な映像が脳裏を過ぎり、おぞましい化け物が確かに存在していることを嫌という程実感させられた
いつか何も感じなくなれればいいと願う

8/18/2024, 5:34:23 PM