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「ファンタジーの世界」

「私、何でそっち側の人間になれなかったんだろう?」
アバターゲームの住人を見ながら、
ロールプレイングゲームの女戦士は思いました。

アバターゲームの住人は
お洒落な洋服を着て、
着飾ったコーディネートで
光り輝くステージの上を歩く

自分の様な
泥臭く、命懸けな殺伐とした戦いは無くて、
お姫様の様に
お茶を楽しみ、お喋りを楽しみ、
自慢のファッションを披露するのが日課。

自分が怪我を負い、
痛く、苦しい思いをしている時に、
アバターゲームの住人は
動物と遊び、お祭りに参加して、
お遊戯をして遊んでいる。

「私だって、お姫様みたいな生活を
 送りたかった。

 でも、私は
 国の命運をかけて戦う勇者の
 仲間の一人。
 本当は勇者に
 一人の女性として見てもらいたい。

 お姫様は
 地獄の囚人のように切り付け合うとか
 拷問の様な修行は縁が無いのね」

そんな弱音を言う事は
戦士の私には許されない。

弱音なんて言ったら、
いつ、モンスターに攻撃されるか分からない。
平和の無い世界に油断は禁物。
少しの油断が命取りになる。

私は、何でロールプレイングゲームの
キャラクターになったんだろう?

私だって、
選べるんだったらアバターゲームの
キャラクターになりたい。

女戦士は
キャンプの見張りの時に
一人、月明かりに照らされながら思いました。

12/20/2021, 8:47:34 AM