佐倉穂波

Open App

冬晴れ

 窓辺に座り、暖かい日差しを浴びる。
 夏のギラギラしら日差しとは違い、冬の日差しは穏やかで、ポカポカと温かいぬくもりに包まれた。

 雪景色を眺めていると、買い物に出掛けていた彼の姿が見えた。
 コートのポケットに両手を突っ込み、寒そうに体を縮めながら、玄関に向かってくる。
 すぐにガチャッと玄関の開く音がした。
 私は立ち上がり、彼の元へ向かった。

「あー、すごい寒かったっ」
 玄関から入り込んできた外の風は、ひんやりと冷たかった。一瞬でも寒いと感じるくらいだ、外はとても寒かったに違いない。
「おかえりなさい」
 そう言いながら彼にピトッと引っ付く。
「おぉ、温かいな」
 暖をとるように、ぎゅっと抱き締められる。
 日差しを浴びて温まった体は、冷えた彼で冷めていったけど、心はさっきよりもポカポカと温かくなった。

1/6/2023, 4:38:08 AM