NoName

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 怖がりな君は夜道を早足で歩く。
 その後を、俺はついていく。ストーカー? いやいや専用警備員と言ってほしい。
 俺の靴音が彼女を怖がらせているとしても、俺は彼女を自宅まで送り届けているだけ。怖いことなど何もない。
 俺は、彼女の怒り気味の肩が小刻みに震える様を愉しんでいるだけだ。
 好きだから、後をつけたくなるのは当然の事。
 彼女とは、まだ話した事もないけれど。
 いつか、俺の気持ちが彼女に通じるといい。
 そう思いつつ、今日も俺は彼女の後をついていく。

3/16/2023, 10:59:49 AM