さっちゃん

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2025/2/23 「魔法」

大学合唱団にいた頃、学生指揮者になりたかった。
学生指揮者になれば指揮法レッスンの費用は団費からの支出でまかなってくれるため、ほとんど無料で指揮を学べるからだ。
お金をかけずに新しいことを始めるには絶好の機会だと思った。
しかし、指揮者はその団の顔となる存在。
他大学から参加していた私は指揮者にはなれなかった。

せっかく合唱をやっているのだから合唱の技術を身につけたいな。
大学4年生でパートリーダーになった。

毎年夏休みに、県の合唱連盟が主催している指揮法セミナーがある。
「学生指揮者だけでなく誰でも参加可能。パートリーダーでも参加を推奨します」
これは参加するしかないっ!
4年の夏、指揮法セミナーに参加することに決めた。

指揮のやり方はもちろん教えてもらえたが、楽曲分析や指導法のレクチャーもあり有意義だった。
その中でも、私の価値観が変わるきっかけになったレクチャーがある。

「今回初めて参加された方は、指揮法はまだあんまり分からないしと思っているんじゃないでしょうか。
指揮法の技術がほとんど無くて、さあ今すぐ曲を振って下さいと言われたらどうすれば良いと思う?
自分がやりたい音楽をイメージするんだよ。
イメージすれば、勝手に身体が動くから」

そんな魔法みたいなことあるか!?と思って、テキストを読む。

『人間は(反射運動などは別として)心の動きによって身体が反応する生命体です。
野球のピッチャーに「インコース、高めの、ストレート」という意思が働いてこそ、そのようなボールを投げることができるわけであり、何となく投げた目的のないボールは生きたボールとはなりません。
音楽ではそれらを“テンポ、ダイナミクス、ニュアンス”等に置き換えられると思われますが、さらに、これらの心の動きの元となるのは“その音楽に対するイメージ”であることを忘れないようにしたいものです』

自分がどうしたいか、どうありたいのかを具体的に強くイメージすれば、人生何でもできるのかもしれない。
周りからの否定的な言葉によって不安になりイメージが崩れてしまうことに悩んでいるが、
それらを跳ね除けるもしくは取り入れて微調整しつつ、強い意思を持ってイメージし続けると、
魔法はきっとかかるはず。

2/23/2025, 4:17:00 PM