かたつむり

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きっと気づいていた。まだ動けないって。

傷だって癒えてきた。平和だし、皆んなは幸せそう。

他の事は私にはもったいないくらい幸せだと思います。

でも彼のことだけが、私の中で不動の如く、心が離れないのです。


だから自分の気持ちを無視して、走った。怖かった。置いてけぼりになるのが。自分の気持ちなから目を逸らすように笑って、大丈夫。って言っていた。

だから無視をして気づいたらひとりぼっちだった。

置いてきちゃった!どこにいるの?私はそこにいなかった。

私は必死に走った。逃げた場所へ戻った。どこ?ここかな?私はどこにいるんだろう?こんなことになるなら、逃げなければ良かった。


本当の私は、ちゃんと私の守ってくれていたあの人と、一緒に空を見て笑っていた。

泣いていたのは私だけなのね。

守ってくれたあの人は私を見て笑って消えていった。



私は私に抱きついて、言った。寂しかったでしょ。大丈夫だよ。


私は、私と離れて寂しかったのは、私だけだったと知った。そして私を抱きしめて泣いたんだ。


もう逃げないよ。

一緒に行こう。誰かと比べてもしょうがない。

手を離さないよ。

ポカリと空いた穴は不思議と埋まっていった。


空が青い。風が気持ちいい。私は笑えた。

花は笑っている。雲も木々も優しく私を守ってれている。


次の恋はきっともっといい恋。


私はまだ残ってる傷跡を見てこの傷が私らしいと、心から思えたんだ。

5/31/2023, 1:53:56 AM