四季猫イグサ

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今日のお題。夜の海。
『月夜の晩に、ボタンが一つ
波打ち際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思った訳でもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、ボタンが一つ
波打ち際に、落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思った訳でもないが
月にむかってそれは放れず
波にむかってそれは放れず
僕はそれを、袂に入れた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁み、心に沁みた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
どうしてそれが、捨てられようか?』
中也先生作、「月夜の浜辺」より。

…やっぱ無駄とかないよなーこの世界。
そして私にとっては中也先生ってツンデレというより何気ないものの
美しさを説く詩人さんだよ、この詩大好き。そして中原中也先生も大好き。

8/15/2024, 1:42:35 PM