一期一会を小桜とともに

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「ウチらってマジ合うよねー!」

「ね!今まで出来た友達とはレベチで仲良しだわ」

「ほんとに!絆つよつよじゃん!?」

などなど、、
クラスのいわゆる一軍女子達が賑やかにはしゃいでいる。

何が絆だか。

ひとたび誰かが席を外すようならそいつの悪口しか言わないくせに。

二軍どころかそういった括りに入れるかすら怪しいぼっちな私は心の中で悪態をつく。

トイレの個室にいる時、気づいていてか気づいていなくてかは知らないが悪口大会を開催するのはいい加減やめて欲しいものだ。

出ていきずらいだろう。



たまたま、その一軍女子のひとりしかもかなりリーダー格の子と2人になったので興味本位で聞いてみた。

悪口は言うが嫌がらせをしている訳ではないのでこの会話がいじめなどに繋がることはない、と思う。

「ねぇ、絆ってなんだと思う?」

「は?」

彼女は何言ってんのコイツ?と怪訝な顔をしたが私がいたって真面目な顔をしていたので答えてさっさと立ち去ろうと決めたようだ。

「ふつーに、仲良くて気が合って何するにも一緒、とか」
「あ、あと考え方が同じで誰かが頑張るなら全力で協力、応援出来る、、」

「ふーん」

「もういいでしょ、私教室かえるから」

「うん、ありがと」

彼女は小走りでトイレを出ていった。



、、彼女の言うようなものが絆と呼ぶのなら、私はやっぱりそんなもの要らない。

全く理解できない訳ではないが、それぞれ違った価値観で、お互いの為に意見を言い合えることが絆なのでは。

悪口として否定するのではなく、面と向かって話し合う。

そしてお互いの考えを広げ高め合う。



同じ考えを強制するのは絆とは呼ばない、と私は思う。





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『絆』

3/6/2024, 2:59:41 PM