病をもらってからは
丈夫なからださえあれば
他には何もいらないと思うことがある
宮沢賢治の詞「雨ニモマケズ」をよく思い出す
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだを持ち
欲はなく
決して怒らず
いつも静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆることを
自分をかんじょうに入れずに
よく見聞きしわかり
そして忘れず
野原の松の林の蔭の
小さな萓ぶきの小屋にいて
東に病気の子どもあれば
行って看病してやり
西に疲れた母あれば
行ってその稲の束を負い
南に死にそうな人あれば
行って怖がらなくてもいいと言い
北に喧嘩や訴訟があれば
つまらないからやめろと言い
日照りの時は涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
みんなにデクノボーと呼ばれ
褒められもせず
くにもされず
そういうものに
わたしはなりたい
4/20/2023, 2:15:49 PM