柘榴

Open App

「この蝋燭が消えるまでそばにいて」
彼女は消え入りそうな声でそう言った
バースデーケーキとマジパンは
ふたりじゃ少し多かったかな

蝋は溶けて 夜が明けて
彼女はふわりと微笑んだ
手を伸ばせばくずれてしまいそうで
砂のお城を思い出した

切ないラブストーリーはもうおなかいっぱい
白熱電球の下で幸せを願わせて
部屋に残ったのは
アーモンドの香りと白い宝石


お題 ずっとこのまま

1/12/2023, 2:17:26 PM