nagisa

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ふたりぼっち
「置いてかないで」

私はいつもみんなに置いていかれる。
私一人だけ。
だから休み時間、いつもどこかに隠れてる。
気づかれたら逃げていくから。
そしてある日の月曜日、今度は屋上に隠れていた。


『どうしてここにいるの?』

びっくりしながら声がする方を向いた。
なんだ。知らない人だ。

「いつも孤独だから、なんてことないよ」
しばらく話していた。

『わたしも孤独だよ。』

私と同じ人?ありえない。

「いつからそこにいるの?」

思い切って聞いてみた。

『2年前。』

名前は実紅っていうらしい。

「どうせ私なんか」

お互いそう思って生きていたみたい。
ちょっと分かり合えた気がして、安心した。

それから私たちは、屋上で遊んだ。
流行りのこととか。

2人で決めたあだ名は、いつのまにか
《ふたりぼっち》
になっていた。思い出すと懐かしいな。

今は高校3年生。
誰もいない公園で1人で遊んでいる。
人と目を合わせるのがまた怖くなった。

『クラスが変わっても、私たち親友だよ!』

また言ってよ。
ふたりぼっちでまた遊ぼうよ。
孤独のまま置いていかないでよ。

「私たち…親友だよね?一緒にいてもいいよね?」

屋上で呟いた。
私は飛び降りた。夕日が差し込む16時。

目が覚めた。
確かに前日飛び降りた。
体は傷だらけ。
枕の隣には、ビリビリに破れた紙があった。
なにか書かれている。
涙ながらに文字を読むと、

『わたしたちしんゆうだよ。わたしのためにいきようよ。』

とても小さな実紅に似た字だった。
私は少しだけ生きてみようと思えた。

幸せ、いつか分けるから
ふたりぼっちでまた遊ぼうね

“𝐈’𝐥𝐥 𝐩𝐢𝐤𝐞 𝐲𝐨𝐮 𝐮𝐩 𝐨𝐧𝐞 𝐝𝐚𝐲”

3/22/2024, 6:52:38 AM