初恋の日
それは奇しくも君の逮夜の日だった
燃やされる君の顔は分からないのに何故か
美しいと分かった
只、その気持ちが恋だと、気づいた時には
君は人生の階段から降りていた
この初恋を誰かに聞いて欲しくて家族に話した
お母さんに私、彼のこと好きだったみたい
というと複雑な顔をしてその場で崩れた
お父さんに私、彼のこと好きだったみたい
と言うと君が悪そうに拒絶した
友達に私、彼のこと好きだったみたい
というと何故かぎこちない笑顔で
「今はそういう時代だよね!」と言われた
好きになっちゃダメだったのかな?
まァ、元々出来の悪い私は両親から嫌われてたし
その反応は今更か
でも友達の反応が悪かったのはどうして?
否、もう。どうでもいいや
待ってて
今、逝くから
私の初恋のお兄ちゃん
※逮夜とは
火葬する日を指す
5/7/2023, 10:28:33 AM