僕はスーパーでアルバイトをしている。バイト先で小さい子が僕に質問してきた。「なんでそんなに箱を開けているの?」となにも考えず適当に生きてどうにかなってきた僕には眩しすぎる笑顔で。「これが僕のお仕事なんだよ」と返すとその子は「なんだそれ〜!」と笑いながら母親の元へ走って行った。単に箱を開けているだけではなく商品を陳列したり在庫を引っ張ってきたりと細かいことはあるが端的にわかりやすく伝えるならそうなってしまった。誰も悪くない。ただ、僕はその純粋な答えに少し羨ましく思い同時に悲しくなった。誰のことも疑うことなくただ一瞬の無いに等しい出来事に過ぎないがすぐにその思考になって笑えるその子の瞳はきっと澄んでいる。戦隊ごっこをしながら走り回るのもお母さんを探して大きな声で呼ぶのも勝手にお菓子をカゴに入れたりして怒られるのもカートを押していたりするのもその思いはきっと純粋でちょうど良い雲の量の青空が広がっている気がした。僕は濁っているけど日差しの強い冬。
澄んだ瞳
7/30/2024, 4:44:32 PM