テーマ:あなたに届けたい #79
ララキの能力のおかげで人外たちから情報を集めることに成功した真。ミッドナイト組織の情報を見つけるーー
「ミッドナイト組織…」
僕がそう呟くと、人外二人の視線がこちらに向く。
『あった?』
「あぁ…」
『なんて?』
僕は口を閉じた。そこにはこう書かれていた。
【ミッドナイト組織。それは人外でも人間でもないものを作り出すと言われている組織、と聞いたことがある。もちろんデマかもしれないし、そんなこと本当にあったらそれは大変なバケモノを作っていることになる。
一体誰がなんのために…。ミッドナイト組織に関してはあまりいい噂は聞かない】
『バケモノ製造組織ってわけか』
シャドウは文章を読んだのか呟いた。
『これはいつも情報をくれる情報屋の字だね』
ララキがそう言って文章を見た。ということはあまりミッドナイト組織というものは知られていないのかもしれない。情報屋が知らないのだから。
『僕はこの組織に関わりを持つことはゴメンだけど、君たちは本当にこの組織にカチコミに行くわけ?』
「カチコミに行くわけじゃないさ。平和に解決できそうだったらそれはそれでいいが…。あまりその線は考えないで良さそう」
僕がそう言うと
『こういうのもあったぜ』
そう言って、シャドウが僕に一枚の紙を渡す。
【そういや、怪しいやつが西路地近くに彷徨いていたぜ。なんだか挙動不審でよ、真夜中に動いていて、なんだか血走ったような目をしていたな。
人外って感じではなかったけど、人間ってわけでもないような…。まぁ、俺の違いかも】
真夜中に活動…人外でも人間でもない雰囲気。さっきの情報屋の情報と似ている…。それに実際、僕も感じていた。アイツは…アイツ等は只者ではない気が…。
「僕も感じた。アイツ、人間の姿をしているのに変形したり、僕の時止めにも逆らってさ。でも、シャドウのことを認識していなかった。僕だけ攻撃を受けて、最終的にはシャドウが奴らを……。でも、最初から最後までシャドウのことが認識できていなかったと思う。気づかない演技だとは思えない」
実際、最後彼らは殺されたのだから。
『もし、そんな化け物いるとしたら…』
そう言ってララキは身震いしていた。
「ララキ。やっぱり僕行かなきゃ。そんな奴ら放っておけない。いや、そんな奴らに弟を連れ去られたままでたまるか」
ララキは僕を見て、何か考えていた。
ーージャラ…。
鎖の音。クソ…。僕が油断した隙に連れ去るなんて、なんて卑怯な奴らなんだ…。
「おい。鎖で繋いだはいいが、コイツ時止めはできないみたいだぜ?」
「そりゃないだろ、あいつの息子なんだから」
「でもよ、遺伝していなかったら……」
「バカッ! そんなこと言うんじゃねぇ! どこでボスが聞いているのかわからないんだぞ!」
「ご、ごめん!」
2人の男がなにやら話している。見張りといったものか…。でも人外一匹の侵入もわからないとは、警備としては劣っている。
『勝瑠…。やっぱ助け呼んだほうがいいよ』
そういったのは、リーリエ。彼女は真兄さんの近くにいるシャドウのようなものだ。
『でも、リーリエ。君はここから出られるかい?』
僕は小さく独り言のように言葉をこぼす。
『えぇ、ここの警備は人外にとって全く対策をしていないみたい。外に何本が続くルートを見つけ、もう外に行けると検証済みよ』
リーリエは頼りになる。僕よりもずっとしっかりしている。『私がもっと先に察知していればこんなことにはならなかった』そう頑なに言う彼女はきっと彼女自身が思っているよりも遥かに、働いてくれているとおもうのだが…。
『じゃあ、真兄さんに伝言を頼む』
そう言って、僕はリーリエに話した。そしてリーリエは僕のもとから真兄さんのもとへ。
あなたへ届いてほしいんだ…。例え、僕が弟だと信じられなくても僕は知っている。あなたが本当の兄さんなんだって…。
※㊗♡1000!!
本当にありがとうございます。作品たちを狼星を支えていただき感謝してもしきれません。
これからも狼星をよろしくお願いいたします。(._.)
1/30/2023, 12:16:09 PM