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【窓越しに見えるのは】

外を見ると今にも降り出しそうな曇り空。
グラウンドでは、私が憧れている先輩のクラスが体育の授業を行っていた。
視力は良くないが先輩のことはすぐに見つけられた。
楽しそうな表情で体育に参加する先輩。
いつも笑顔でいるのをみて、私は憧れるようになっていった。

私の教室では自習の時間。授業の間、私は何度も外を走る先輩を見つけ、ぼーっとしてしまった。

授業が終わり、帰るために教科書や筆記用具を片付け、鞄をもって廊下に出た。

『あっ!君、さっき見てたよね』

ふいに声をかけてきたのは、あの憧れの先輩だった。
見てたこと気づかれてた…!私は焦りからか、返事ができず、目を逸らしてしまった。

『急にごめんね、話しかけて。なんか見られてるなーって気になって。でも急すぎたよね、ごめん』

そういうと先輩は私の頭を撫でた。突然の出来事に体が熱くなる。

『顔赤くなった笑。今日は天気が悪いね。…明日は晴れますか?』

「えっ!明日ですか?えっと…調べてみます。」
私はスマホを取り出し、天気予報を調べる。

『あのさ、【明日は晴れますか?】って調べて見て?』

私は疑問に思いながらも、【明日は晴れますか? 意味】と検査した。
検索結果をみて、私は顔が赤くなるのを感じた。

『…意味わかったかな?なら、返事がほしいんだけど』

「あの…【明日は晴れて、月が綺麗でしょう】」

7/1/2023, 3:06:32 PM