手紙机の引き出しから一通の封筒が出てきた差出人の名前も、宛名も、何も書かれていない。封を開けると、中には一枚の白紙。「なんだこれ…」彼は首をかしげたが、心のどこかがざわついた。何も書かれていないはずなのに、まるで――“何か”が届いている気がした。それは、別れを言えなかった誰かの想いか。言葉にできなかった後悔か。あるいは、未来の自分への問いかけか。彼はそっと、手紙を元に戻した。空白は、時に最も雄弁なのだと思いながら。〜空白〜
9/14/2025, 12:44:42 AM