雪月栞

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「無辜の怪物」

私はまさにそれだった

何も悪いことをしていない

ただ捨て子で、ちょっと頭が良かった

ただそれだけ

それなのにみんな、私のことを化け物だという

ひそひそと陰口を言い、足をかけて転ばせる

私が転べば彼らはげらげらと笑い、去っていく

そんなある日のことだった

「わっ、血が出てるよ!?大丈夫??」

私よりも泣きそうな顔をした君と出会ったのは

君は私の傷口を拭って、絆創膏を貼ってくれた

私と友達になってくれた

私のせいで標的にされても友達でいてくれた

それが、とても嬉しくて

だから、私は決めている

この命が燃え尽きるその日まで、私は君の友でいる

この命が燃え尽きて、生まれ変わっても

私はまた君の友になろうと


『命が燃え尽きるまで』

9/14/2022, 12:44:50 PM