何もいらない
なんにもいらない
わたしは
わたしのすべてだけがほしい
なんにもいらない
わたしに属さないものなど
すっかり準備のととのった花嫁は
神によってあたえられた
地上ただひとりの花婿とともに
結婚の宴へとはいり
そのうしろで、扉をとじる
わたしは
わたしのすべてだけがほしい
わたしの光も
寄り添うように共にある闇も
どちらもわたし自身だからだ
光だけを愛するなんて
そんなことはわたしじゃなくても
誰にだってできる
けれど闇は
わたしにしか愛せない
なぜならそれは
わたし自身の闇だから
ほかの誰にも愛せない
愛したくても
愛しかたがわからない
だって
闇の美しさを讃える術は
闇あるゆえに光としてある
対の者だけがもっている
永遠の神から贈られた
赤い糸のサインだから
わたしはなんにもいらない
わたしは
わたしのすべてのほかには
なんにもいらないのだ
なんにも、いらないのだ
4/21/2022, 6:41:25 AM