NoName

Open App

「何になりたい?」

女の子は、将来の夢について考えていました。

趣味も特技も特に無くて、

好きな事や出来る事もありません。

学校の宿題の文集で

何を書こうか悩んでいました。


女の子は、友達に聞きました。

「将来の夢は何て書けば良いの?」

すると、友達は、

「習い事を将来の夢にすれば良いんじゃない?」

と、女の子に言いました。

「うーん…」

女の子は、柔道を習っていましたが、

親に強制的にさせられているような物だったので、

大人になってまでやりたい物ではありませんでした。


女の子は、図工の授業が大好きで、

絵を描くのも、何か作るのも

本当に楽しくて仕方がありません。

図工の時間で、水彩画を描いている時に

女の子はクラスの男の子に

「すごく絵が上手いね!

 漫画家や絵描きさんになれば

 有名になれるんじゃない?」

と、すごく褒められました。


女の子は、文集に

密かに思っている夢である

「漫画家になりたい」

を書きました。


数ヶ月後、文集が出来上がりました。

女の子は、皆の字がとても綺麗だったので、

「何で、私の字はこんなに汚いのだろう…?」

と、悔しい気持ちになりました。

ヤンチャな男の子は、女の子に

「漫画家なんて止めとけ。

 お前、絵が下手くそだし、売れるわけねーじゃん!

 お前なんか、せいぜい底辺の仕事に

 就くしか能が無いからな!」

と、からかい半分で大笑いしながら言いました。


家に帰って、女の子は文集を両親に見せると

「何で、公務員になりたいって書かないんだ?!」

「学校の先生や警察官になりなさいって

 普段からあれほど言ってるじゃない!」

と、物凄く怒られました。


その後の女の子は、

家で漫画禁止令が出てしまい、

学校の勉強以外の事は何もさせてもらえませんでした。

女の子は、漫画の道具が欲しかったのですが、

親から買い与えられる訳も無く、

女の子は、元気が無くなって行きました。

女の子は、行きたくない学校に行かされて、

やりたくない勉強をやらされた結果、

心を壊してしまい、

障害者の人生を送る羽目になりました。

障害者は、出来る仕事が非常に少なくて、

底辺の仕事しか出来ません。


男の子は、友達に

「アイツ、見事に人生終わったぞ。

 絵の才能がある訳じゃ無いのに

 漫画家とかアーティストに

 なれる訳、無いだろ(笑)」

と、陽気に笑いました。

7/9/2022, 8:51:30 AM