感謝情緒

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君に会いたくて、愚痴をこぼす。
「酷いものだ」と、一人呟いている。それは私か、嗚呼そうさ。
部屋の中に一人というのは、侘しく質素な気持ちになった。過去を思い出せば彼の顔がチラチラ浮かび上がり、口から吐き出し腕を組んで突っ伏す。
酒を飲む手が止まらない。明日のことなんて考えず、どうせ会えない彼を思いながら、私は缶ビールの栓を開ける。ビールを飲むと気分が紛らわせる感じがしたのだ。一時期のものだとは分かっているけど、どうしても。
会いたくて、仕方がないのに。携帯を見ても彼の連絡は無い。電話がかかる気配はしない。生活から彼が抜け落ちても、私の記憶の中からは彼は消えてはくれなかった。
記憶の片隅にまだ貴方は其処に居るのか。
どうせなら、一生会えないように跡形もなく記憶から消えてくれれば良いのに。

そうしたら、会いたいなんて思わないからさ。

1/19/2023, 10:55:24 AM