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さんさんと降り注ぐ午後の穏やかな日差し。惰性で見ていたワイドショーから目を離して隣を見やると、ゲーム機を持ったままうつらうつらとしている友人の姿があった。
なにが「昨日は早く寝たから今日は夜まで起きてられるよ!」だ。画面の中ではほのぼのした顔つきのキャラクターが網を持ったまま所在なげに立ち尽くしている。
そっと顔を覗き込んでも友人は起きる気配も無い。深い呼吸に合わせて緩やかに肩が上下し、ゆらゆらと体が揺れる。
こいつの居眠りを見るのはもう両手では数え切れない程になったが、毎回どうにも嬉しいような申し訳ないような、それでいてこの安寧をぶち壊したくなるような複雑な感情が湧き上がってくる。
無防備な姿を見られて嬉しい、しかし本来この寝顔はもっと特別な別の誰かに見せるものなのではないか、いや他の誰かになんて見せてたまるか。ふたつどころではない心の数々が大乱闘を起こしている結果こんな訳の分からない感情と相成った訳である。
だが、そんな様々な気持ちを抱えている俺がこれからするべき事はただ一つだ。まぶたを閉じたその額にゆっくりと手を延ばし―――





ばちん。





「う゛っ……痛ったあ!?な、何!?あ、デコピンか……」
「おーおーお目覚めですか。にしても見事なフラグ回収っぷりやった」
「フラグ?……あー、見事に寝てたね……」
「トイペそろそろ切れそうって言ったら買ってきてくれる言うたのになー、優しい同居人を持って俺は幸せ者だと思ったんやけど」
「あ~ごめんって~……今から行くよ」
「……あはは、冗談やで。折角2人とも休みなんやし一緒に買いに行こ」
「え、いいの?」
「ええで。その代わり今日の夜おごりな」
「高級フレンチとか無しだからね。どこ食べ行く?」
「んーそうやな……」







今はまだ、もう少しだけこの友人との穏やかな日々を享受していたい。










(大好きな君に)
(関西人+関東人のほんのりブロマンス 関西弁琴葉茜でしか学んでないからガバガバ)

3/4/2024, 2:18:14 PM