30ゆずの香り
ただ、森の中をさまよっていた
自分がどこにいるかも分からなかったが
もう気にしなくていいと思えた
良さそうな木を見つけることができた
あとは寝るだけかなと思い腰かける
新しい年を越せるかは分からないけどね
眠気を感じつつ木に背を預け意識を落とした
周りからはゆずの香りがしていた頃だった
クラスから1人行方不明者がいた
行方を探して最後に見られた山の麓で
ゆずの香りに誘われて辿り着いたその場には
安らかに眠る君がいたんだ
香りと共に記憶が刻まれた
12/23/2024, 7:53:00 AM