まるでそんなことは予想してなかった。全てを見透かすような君の目が苦手だった。真っ直ぐに、凛として、それでいて無邪気で、非の打ち所がない。そんな目をした君も嫌いだった。だけどいま、僕は初めて、君の目を直視できている。今の君の目は酷く澱んでいて、黄ばんで、どんよりとどこかも分からぬ空を見つめている。「…そんな顔をしてたんだね」ようやく君をひとつ、知ることができた気がする。
4/7/2023, 9:01:12 AM