みとり

Open App

お題:透明
タイトル:

僕は見てしまった。
それは澄んだ光を放っていて、ただただ美しかった。
でも手を伸ばすと逃げるように離れていってしまった。
ああ僕がそれに触れることは叶わないんだと悟った。

⸺そんなことも忘れていたのか、僕は。
目の前にあるがらくただらけのお菓子の箱を見て、僕は驚き呆れていた。

どうでもいい石ころや鳥の羽根でさえ宝物へと姿を変える魔法を使えたこと。
小さな画面に広がる世界を救う大冒険をしたこと。
そして、そういう毎日が目が眩むほどに輝いていたこと。
本当にすっかり忘れていた。

いつからか憧れに蓋をし、周りを気にして生きるようになっていた。
子供っぽい、と過去を切り捨てることもしてきた。
褒められて、認められて、もっと頑張るのが幸せだと信じてきた。

僕は努力を重ね、幸せになった。
…はずだったのに。

⸺実家の押入れの奥から出てきたお菓子の箱は随分色褪せて、ところどころシミもできていた。

「おかえり」
声が聞こえた。
別に驚くことではない。
あの頃はそうやって輝きを探していたから。

「見つけてくれてありがとう」
「まあね、さあ今日はどうするの?」

答えは出ている。
まだ正体が何かも、どこにあるのかも分からなくても。
「透明よりもきれいな、あの輝きを探しに行く!」


※あとがきのようなもの※

みとりです。
いやーこんなに抽象的な文章は初めて書きましたね。
お題「透明」を見て真っ先に思い浮かんだのがB○NP OF CHICK○Nさんの『アカシ○』でした。
実はみとりはポケ○ンが大好きです。
MVで泣きました。
文章は歌詞にヒントを得て書いてみました。(難しかった!)

もし何か感じ取れるものがあったら、明日からの生活がちょっと豊かになるかもしれません。
そうなったらいいなー。
もしQOLが上がったと感じたら是非「☆お気に入り」→「♡もっと読みたい」で教えてくださると嬉しいです。

次はもうちょっと上手く書くぞー!

5/21/2024, 6:19:23 PM