【たまには】
散漫とした気分に囚われてばかりの毎日。
それがイヤで、すごくイヤで……もう、何をすればいいのか分からないから、どうにもできない。けれど、気休めに書く、その時間が本当に大切なのだと知っている。
「言葉は、一度言ったら飛んでいき、取り消せない。」なんて、昔ある書物に残された言葉を今に知れるのは、なぜか?
きっと言葉を話すと飛んでいくなら、あらかじめ言葉が飛んでいかないよう何かに書き留めておけばいいからに他ならない。
「おはよう」や「いただきます」も、
「いってきます」や「いってらっしゃい」も、
「こんにちは」や「ありがとう」も、
「すみません」や「ごめんなさい」も、
「こんばんは」や「さよなら」も、
「ただいま」や「おかえりなさい」も、
「ごちそうやま」や「おやすみ」も、
それら全てが日々の生活のどこかの誰かと交わされて、立ち止まり、考え、受け止められている。
どれだけ言葉にするのが億劫で挨拶すら言えなくても、その反省を今ここに書き連ねておけば、私の想いは空の彼方へと飛んでいかずに済むだろう。
ただ、風に飛ばされてフヨフヨと浮かぶバルーンも別に嫌いじゃないけれど……だからこそ、言葉を書き留めるのは、"たまには"がいい。
3/5/2023, 1:34:52 PM