あなたとわたしが揺れる舞台。
海辺に佇む君が、僕をからかうかのように振り返る。
白波が寄せるごとに、彼女の足首が浅く浸かる。
夕日が反射し、何もかもが神々しく見えた。
二人しかいないこの景色に僕は不安になり、問う。
『なあ』
『なぁに?』
想像どうりの甘い声。
『どうしても、寂しい時、どうすればいいと思う?』
『..さぁね。私だったら、求めるかな。それより、どうしてどうしてそんなこと言ったの?』
『────君の心臓の鼓動が、動いていないからだよ』
もう、僕は一人。
波に残る小さな足跡。
11/7/2022, 10:20:41 AM