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窓越しに見えるのは、小さな湖を囲む花々と広大な森。ここはある森の中にある大きなお城。








本好きのお姫様_________________








ここはある国の王族が住むお城。そこには、ロゼッタというお姫様が住んでいました。彼女は本が大好きで、いつも本を読んでいました。ロゼッタには双子の兄、ローランド王子がいます。彼は乗馬やスポーツ観戦が好きで、ロゼッタとは真逆の性格でした。ある日、ロゼッタがいつものように自分の部屋のソファーベットで本を読んでいると、いきなりローランド王子が部屋に入ってきて、
「ロゼッタ。これからフットサルをお父様と観戦しに行ってくるが、おまえも来るか?」
と、ロゼッタを誘いましたが、
「いいえ。結構です。わたくしはここで昨日の続きを読んでいますので。どうぞお父様と二人でお楽しみになって。」
と、あっさり断りました。はぁ、とため息をついたローランドは、昼食はしっかり食べるようにとくぎを差し、側近とともに部屋を出て行きました。
「はぁ。いつも断っているのに、本当に懲りないお兄様ですね。ねぇ?ローズ。」
「えぇ。ロゼッタ様はあまりスポーツ観戦がお好きではないことをローランド様の側近にお伝えいたしましょうか?」
ローズはロゼッタの側近で、ロゼッタのことを生まれたときから世話をしている、ロゼッタにとってとても信頼できる側近です。
「えぇ。お願いするわ。ところで、今日の昼食のメニューは何かしら?」
こちらに、とローズに渡されたメニューを見ていると、突然ロゼッタの顔が少し歪みました。
「ロゼッタ様?どうかなされましたか?」
心配そうに顔を覗き込むローズに、ロゼッタは、
「何でもないわ。ただ、少し苦手な食材が入っていただけよ。」
「では、料理人に食材の変更を申し出てきます。何の食材が教えてくださいますでしょうか。」
ロゼッタは一瞬戸惑ったが、すぐにいつもの表情に戻り、
「ピーマンよ。これからも代用品を使うようにと言ってきてくれる?」
「かしこまりました。では、失礼いたします。」








第一話____________________

7/2/2023, 8:41:21 AM