#4 秋の夕暮れ。
はぁー、とため息をつきながら帰り道を歩く。
「また明日ー!!」
「うん!またねー!」
笑顔で明るく、元気な声。
そんな会話で終わる。
今さっき、言ったのは本当に自分だったのかな。
たまにそう思う時がある。
ありのままの自分はきっと誰も知らない。
知らなくていいことだし、知られたくないことだ。
空を見てみると、美しい橙色や紫色になっていた。
あと少しで、日が沈みそうだ。何時間かで今日も終わる。
今日は、早く起きたことをあって一日が長く感じた。
一日、長い時間を過ごせたけど、あまりいい事はなかったかも。どんな時だって、嫌だと思うことがあって、我慢しないといけないことばっかり。すごく疲れる。
でも、前向きに必死に生きなきゃ。
ほんの小さな事でも、楽しかったことを思い出して、心を温める。ポカポカしてきたら、自然と笑顔が出るから。
とりあえず、家に帰れるし、自然体の自分に戻れる。
"沢山の人生がある場所"は、すごく面白いけど、ありのまんまではいられないから、こうやって解放されると気持ちいい。
嫌だったことは、全て吐き出して、もって帰らない。
笑っていれば、この先も笑える。きっと。
音楽でも聴いて、勉強しよう。
そう思うと、家にたどり着いた。ドアを開ける。
そこには、落ち着く空間が待っている。
___放課後
10/12/2022, 10:21:36 AM