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日の出
「楽と日の出を一緒に見られるなんてね」
年末年始にオフなんてないふたりにとって、今日という年越しの日はあまりにも特別だった。2人ともに休みが取れて、天気は良く、急に入る仕事もない(ここについては、お互い周囲にかなり強く念押ししたというところもあるが。)。こんな日は、向こう何年と来ることはないように思われた。
「きれい。写真に撮るのが勿体無い」
「? どういうことだ?」
「目を離すのが勿体無いってこと」
「……そうだな」
電子の連絡もない。写真も撮らない。肩を寄せ合って体温を分け合い、互いの顔を照らす橙に釘付けになるこの瞬間を、幸福と呼ばずしてなんと呼ぼうか。

1/3/2023, 12:49:01 PM