しろ

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忘れたくても忘れられない

長い冬の夜、私は一人で窓辺に立っていた。外は真っ暗で、星も見えない。ただただ寒さが肌に染みわたり、心を凍りつかせる。

1年前の今日、彼はこの世を去った。事故の瞬間、私は彼の手を握りしめていた。でも、彼はもう戻ってくることはない。いくら忘れようとしても、彼の存在は私の中に深く刻まれている。忘れたくても忘れられない。

彼とは10年以上もの間、幼なじみであり恋人でもあった。私たちはお互いにとって最高の存在だった。彼の笑顔は私の心を癒し、彼の優しさは私を支えてくれた。ずっと一緒にいようね、と言い合っていたのに、あっけなく彼はこの世から消えてしまった。

事故現場では彼の姿を見つけることができなかった。灰色の煙と赤い炎に包まれてしまった彼を、私はどうしても思い出せなかった。彼の存在はまるで美しい夢のように消えてしまったのだ。

彼の死後、私は自分を変えようと必死になった。彼との思い出を紡ぐことができない日々が続いたからだ。でも、どんなに頑張っても彼を忘れることはできなかった。彼は私の魂の中に生き続ける存在なのだ。

そして、この寒い冬の夜、私は彼との思い出を辿りながら窓辺に立っている。彼と一緒に過ごした冬の日々を思い出す。雪が降る中、二人で手を繋いで歩く姿。雪だるまを作りながら笑い合う姿。永遠に続くような時間がそこにあった。

彼を忘れたくない。でも、彼を思い出すことでさらに心が痛む。こんなにも複雑な感情に揺れ動く私は、彼との別れを受け入れることができずにいた。

窓辺に立っているうちに、雪が再び降り始めた。私は目を閉じ、彼との思い出を大切に思い出しながらそっと歩き出す。彼がいない寂しさを感じながらも、私は彼の存在を受け入れる覚悟を決めたのだ。

彼はいつも私の心の中にいる。冷たい冬の中、暖かな思い出を抱きしめて、彼との絆を育んでいく。

10/17/2023, 11:26:13 AM