August.

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〈君の声がする〉

死のうと思った。

高卒で入った会社も辞め、生活保護を受けながら過ごしていたが、もう限界だった。

病名もいくつかつき、薬を飲んでも体に合わず、試して、薬を変えて、のサイクルだった。

廃墟に行き、今にも倒れそうな屋上の扉を開ける。

空は広かった。

手すりに手をかけた時だった。

スマホの通知音が鳴った。

最初は無視していたが、電話だったみたいで長くブルブルとスマホが震えていた。

こんな時になんだよ、と苛立ちを覚えながら電話に出た。

「お前、また死のうとしてるだろ?」

電話の主は挨拶もせず唐突に言った。否定の言葉をかけようとする前に「後ろ見てみろ」と言いわれた。

後ろを見ると、君がいた。

君は急いで私のもとに駆け寄り、抱きしめ、泣きながら死ぬなと何度も言った。

君は一体、何者なんだよと思いながら、私も泣いた。

2/15/2025, 11:46:27 AM