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「待って!行かないで、お願い!行かないでよ!!」
「…仕方いないんだ。それにね、由美さん。お国のために死ねるんだよ。誇らしいことなんだよ」
…?、この人は、何を言ってるの。国のために死ぬのが、誇り?誰かのためなら、死んでもいいって言いたいの?
違う。そんなの間違ってる。

だってあなた現に今、泣いてるじゃない。

「そう…。なら、もういいよ。あなたが一番辛いはずよね。そんなあなたがそこまで思ってるなら、もう私には何も出来ないや」
「…ありがとう。ごめんね」

1年後。お国のために死んだあなたから、手紙が届いた。
手紙の内容なんて、今となっては覚えちゃいない。それくらい嬉しくて、とても悲しかったから。自分の感情を整理するのでいっぱいいっぱいだったんだ。それに何より…
「?、なにか落ちた」
封筒の中に手紙と一緒に入れてあった、押し花の施されたしおり。それが一番嬉しかった。だって、その押し花に使われていた花は ミムラス だったから。
「あなた。私、泣かないよ」
あなたがあの時、どれだけ辛い思いをしていたかなんて私には計り知れない。それでも、あなたがどれだけ優しい人なのかは、私が1番わかってる。自分が死んでもなお、私を笑わせようとしてくれてるくらいにね。

#泣かないよ

ミムラスの花言葉は「笑顔を見せて」

3/17/2023, 11:56:38 AM