「想いお届けします」
ピザのデリバリーのチラシと一緒にポスティングされていたハガキ。
「あなたの想い届けませんか」
「過去にも未来にもお届けします」
「人でもモノでもOK」
そんな言葉の下には電話番号が一つ記されているだけだ。裏返してみても詳しい説明などは一切ない。
ちなみにタイムカプセルとか、未来の自分に配達してくれる手紙の類いは大好きだ。だからこんなものを目にすると空想は止まらなくなる。
(過去かぁ……)
「後悔」と名前がついているその想いはもう決して届かない。【届かぬ想い】じゃない、「届けなかった想い」だ。
知っていたのに、見て見ぬふりをした。何もなかった、これでよかったとフタをしてしまい込んだ感情は、時々顔をのぞかせチリチリと胸を刺す。
もし過去に想いが届いたのなら、今この未来は変わるのか。見てみたい。ダメでもともと。
指は、ハガキの電話番号を押した。
4/16/2024, 12:31:42 AM