わたあめ

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「ココロオドル」


いよいよまちに待ったこの日。私は鏡を見ながらめいいっぱいおしゃれをする。鏡の中の私は微笑んでいる、とても楽しみだ。
何故なら、私と心美は、高校生の時の同級生で、今日は久しぶりに会う約束をしているからだ。
私は、この日をずっと待っていた。大学生になって学校が別々になり、会う機会が減ったため、私は毎日心美に会いたいと思いながら過ごしていた。
「ついに今日会える!服は何を着ようかな〜、心美に選んでもらった服にしよっかな♫」私は一人で呟き、心が踊っているのがわかる。
大学生になってから、彼氏もできたが、頭の片隅で心美のことが離れない。彼氏と出かけていても、「心美もここのお店好きそう!」とか、「心美なら、こうしてくれるだろうな、」とか、「心美のLINEまだかな」と考えてしまうほどだ。彼氏とのデートは、緊張の方が多く、むしろ億劫に感じてしまうことがある。
心美といる時は、彼氏のことなんか少しも考えないのに。心美といる時間はとても心地良い。そして、楽しくて大好きだ。私は、心美のことを考えるといつも心が踊っている。恋じゃないかと思うが、もう何かわからない。恋人とか、親友とか、家族とかそんな名前はつけられない。
心美とずっと一緒にいたい、会いたい、私はそう思っている。私は心美を愛している。心美もきっと私を愛していると思っていた。何故なら、彼女も「愛している」と言ったからだ。彼女が、「私達の関係は友達や恋人では無く家族のような大切な存在、私と心美の関係ね、私と心美の関係と言う名前をつけるの」と言った。

しかし、待ち合わせの場所になっても心美は来なかった。連絡をするが、既読が着かない。

あれから、1週間、2週間が経過した。こんなことは、初めてだ。
病気になったのかもしれない、事故かもしれない、何か大変なことが起こったのかもしれない。私はとてもとても心配になった。でも、反対に私のことが嫌いになったのではないかとも思った。

心躍る幸せな日々が過ぎ去ってしまった。
心美が失踪してから、3年間が経過した。
私は今もずっと心美を探している。いつか、見つかると信じて。心躍る日々をまた2人で過ごしたいと今は思うばかりだ。

10/9/2023, 2:39:30 PM