¦もう二度と
もう二度と、馬鹿げた挑戦なんてするもんか。
一年間、我らが母校のために尽くしてきた。
生徒会の先輩が来なくても、先生が来なくても、挨拶をやめなかった。ミーティングが始まるのを待った。少しでも生徒が納得いくような校則へと改正すべく調査だって行なった。
生徒会役員選挙に向け、初めて話す候補者には勇気づけライバルにも拍手を贈った。惜しみなく笑顔で彼の演説を味わっていた。
負けた。
私は、生徒会長になれなかった。なんの経験もない、生徒会の現状を知ろうともしない、選挙前の集会にさえへらへら笑って遅刻するような男に負けたんだ。
結局、ただの人気投票だった。
私の公約を覚えてくれている人なんていなかったし、演説中にあなたと目が合わなかったもの。
もう、いいや。私じゃだめだったんだ。
もう二度と、馬鹿げた挑戦なんてするもんか。あんな奴に負けた己が愚かで仕方ない。
__次の挑戦は、もっと徹底的に努めなきゃ。馬鹿げた挑戦をする私はもう二度と現れないから。
3/24/2025, 11:51:30 AM