t-kazu

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わたしの勤務する塾では中学生の新学期は3月から始まる。教室異動があり、新教室での最初の授業、わたしのことを「鋭い眼差し」で見る生徒がいた。他教室から来たわたしのことを見定めているかのようであった。

彼に認めらたのか、彼はわたしの授業を真剣に聞いてくれた。一言一句聞き漏らさない、と決しているかのようであった。

うまく説明出来た時にはうなづいてくれ、中途半端な説明の時には顔をしかめた。わたしの授業の出来のメルクマールであった。

生徒の大半は部活の大会の日、運動会の日、修学旅行から帰って来た日は欠席するのだが、彼はどんなに忙しくても、どんなに疲れていても授業に参加した。そして、最後まで教室に残り勉強をし続けた。

その年の生徒は彼の影響を受け、休みの日も自習にくるなど、熱心に勉強をしてくれ最高の結果を出すことができた。

母親との面談で心配事を聞いた時に「うちの息子、勉強を止めないんです…」と言われたのは初めてだった。その後も言われたことはない。

かれは最後の模試で全体1位を取り、高校入試も第一志望校に合格し、塾を卒業した。

その後、かれは高校でも1位を取り続け、当然のように理1に合格。学部時代に学会から表彰され、現在は大学院にいる。

先生もがんばろ~

10/16/2022, 1:30:34 AM