雪明かりの夜
昨日の吹雪が嘘のように今日は澄んだ星空。
あなたがこの街を出ていくと聞いてから
私の何も変わらない日常は、取り残されていく。
わかっている。
あなたは、夢のために都会へ旅立つこと。
そうわかっていたのに…
まだ私は、何も変わらず雪明かりの道を歩くだけ。
一緒に歩くあなたが隣で 空を仰いで白い息を吐く。
その姿は、夢の先を見つめている。
そうわかっていたのだ。
私は、この人が好きなんだと。
けど、臆病な私はこの気持ちをなかったことにしようとしている。
胸が締め付けられる思いは、いつしか瞳からこぼれた一粒の涙。
イヤだ。
行かないで…
そんなわがままが涙へと変わる。
キラキラと光る雪明かりが私を照らす。
やめて!
この人には見られたくない!
そう思った瞬間ーー
「…ごめんな。」
強く抱きしめられていた。
「…ずっと好きだった。」
私は、自然と言葉にしていた。
「……うん。……ありがとう。」
抱きしめられていた腕を強く抱きしめ返す。
その夜の哀しみと切なさは、雪明かりがただ照らしていたのだった。
12/27/2025, 4:18:17 AM