透明な水(a)「泣いてなんかない、ただの水よ」彼女は言う。けれど透明な水に見えるそれは、元々は血液でできているのだと知っている。あまりにも美しい流血を前に、僕は何も言えなかった。(b)その水があまりにも透き通っているから、覗き込んだ者は自らの姿をまざまざと映し出されることになる。くれぐれも遊び半分に関わらぬことだ。でないと後悔するやも知れぬ。自らの中の魔が、自身に牙を剥くかもしれぬ。(思いつくままの2篇を覚え書きに)
5/21/2023, 2:27:33 PM