まるで修行中

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天気が良かったので、小さな小鳥は寝転びたかった。
昨日、たまたま通りかかった木の枝で休んでいた時に、子猿が芝生の上で寝転がっていたのを見つけた。
その子猿は、ゆったりとした横向きになり、自分の体をぎゅっと縮めて守るわけでもなく、静かに横たわっていた。
それがとても羨ましかった。
小鳥は、いつも横にならず眠っているからだ。
横になって眠ることができるだろうか、わからない、けれども、試してみることにした。

時間はかかったが、なんとか横になることができた。
そして、仰向けになってみた。
いささか無理な姿勢だが、なんとか小鳥なりに空を眺めることができた。
左側の羽の方角から、雲が風にのって流れている。
小鳥は、大きく見える空と、そこにある雲を、まるで初めて見るかのように眺めていた。
いくらか時間が経ったとき、小さな子猿が小さな雲に乗って、小鳥の上までやってきた。
子猿は、そうっと手を伸ばした。
「一緒に遊ぼう」
小鳥は、子猿の掌に、そうっと右側の羽をのせて笑った。
「一緒に遊ぼう」

空の上の方で、小さな雲の帰りを待っていた大きな雲が、にこにこと笑いながら言った。
「さあ、おかえりなさい。行きますよ」
「冒険が始まった!」





5/4/2023, 10:36:48 AM