アッシュ

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突如、絹を裂くような女の悲鳴が響いた。
悲鳴のする方に目をやれば、富豪の身体が傾いで倒れていた。
口元には赤いワインが溢れていたかと思いきや、それは彼の血液だった。
手にしていたワイングラスは割れカーペットに染みを作っていた。
富豪の胸の鼓動が止まっていたのは誰の目にも明らかだった。

彼は一代で富を為す人間であればこそ、その過程で誰かの恨みを買うこともあっただろう。
だが、その恨みを表に出すことなく彼に近付いた者がいる。警戒心の強かった富豪へ毒を飲ませることができるほど親しい間柄となった人間が。
彼と親しくしていた人間はざっと7人。この中に真犯人がいたとして、我々はそれを突き止めることができるだろうか?
7人それぞれが猜疑の目で周りを見
渡した。
(Q.真犯人は誰だ?)
(A.誰かが考える物語)




お題:胸の鼓動

9/8/2022, 12:49:46 PM