伊古野わらび

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駄目元で告白してみたら、まさかのOKを貰えてしまった。
信じられなかった。
だって、クラスで一番人気のある彼が、わたしを選ぶだなんて思いもしない。

ただ卒業してしまう前に気持ちだけでも知ってもらいたい。
そんな自己満足からの告白だったのに。

「大丈夫。ちゃんと好きだから」

彼はそう言葉にしてくれる。
手を繋いでくれる。
彼の言葉も手の温もりも、確かに安心させてくれた。

でも、それでも、わたしはわたしに自信が持てなかった。
いつだって不安が付き纏う。
彼からいつ別れ話を聞くことになるのか。
いつこの手の温もりが離れていってしまうのか。

強張ったままのわたしに彼は呆れることなく、何度も何度も「大丈夫」と繰り返し告げた。
卒業しても、ずっと一緒なんだからと軽く笑った。

そのおまじないのような「大丈夫」という言葉は、この先もずっと続くことになる。
大人になって、隣に彼がいることが当たり前になってからも、ずっとずっと。

そのことを、この頃のわたしはまだ知らない。



お題『安心と不安』

1/25/2026, 12:00:19 PM